目次
1.留学に行く時期はどうすべきか?休学 or 卒業後のパターン別に解説。
1-1.休学してから行く場合
1-2.卒業してから行く場合
1-3.超大手志向なら卒業後に留学に行くことはおすすめしない
2.新卒の就職活動と既卒の就職活動の違い
2-1.新卒枠に応募する場合
2-2.既卒枠に応募する場合
2-3.第二新卒とはなにか
2-4.ライバルはどういう人?
3.いざ、面接に挑むにあたって。
3-1.就職活動も「段取り八分」
3-2.どんな気持ちでいればいいのか
3-3.企業の疑問を解消してあげる
3-4.担当者と信頼関係を築く
4.留学に行くまでにすべきこと
4-1.会社説明会に行こう
4-2.留学でやりたいことを整理しておこう
1.留学に行く時期はどうすべきか?休学 or 卒業後のパターン別に解説。
いま大学生のあなた。卒業してすぐに就職するなんてもったいない。憧れだった夢、海外留学を実現してから就職したい。でも、休学して行ったほうがいいのか?それとも一度卒業してしまってからの方がいいのか?その場合、就職活動のスケジュールはどうなるのか?この記事ではそんな疑問に答えます。
1-1.休学してから行く場合
休学してから行くパターンの人。このパターンの場合は卒業がいつになるかで動きが変わってきます。
丸々1年休学する場合は就職活動が1年遅れるだけですので、入学が1学年下の学生と同じ動きになります。
半年遅らせるパターンの場合は、就活の出だしが半年遅くなります。時期的には超大手企業、有名企業はすでに内定をかなり出しており、残り枠がなくなっているか、あっても少数、追加募集に期待、というところです。夏から秋以降は、(言葉は悪いですが)大手がダメで繰り下がってきた学生たちの、中小企業の獲得競争が活発になります。この、半年遅れるパターンが悩みどころでしょう。
1-2.卒業してから行く場合
既卒になると、新卒で応募できなくなると思っている人もいますが、実はそうではありません。卒業しても約3年は新卒扱いとして応募できる企業もあります。しかし、応募者を「20○○年卒業予定」と限定している会社もあり、新卒枠での応募が減ってしまうのは覚悟しておいたほうがいいでしょう。また、採用担当の心情として、「なんでこの人は在学中に就職活動しなかったんだろう」という疑問を持ちますので、留学をした理由を、明確に説明する必要があります。
合わせて、第二新卒枠に応募することも考えられます。第二新卒とは、卒業後おおむね3年目までの人を指し、新卒ではないですが、業界や職種未経験でもポテンシャルで採用しようという枠のことです。もちろん経験者を取る場合もあります。新卒と違い数年の社会人経験やキャリアがあるので企業も即戦力として期待されます。留学の場合は正社員としての経験はありませんが、第二新卒はよりポテンシャル部分を重視してもらえるので、志望動機と自己PRをしっかりと準備しましょう。
1-3.超大手志向なら卒業後に留学に行くことはおすすめしない
超大手、有名企業を狙うなら、正直、卒業後に留学に行くことはタイミング的に、そして応募できる枠から考えても、新卒と比較してやや不利になる感は否めません。もしストレートでこういった企業の内定を目指すのであれば、単位を早く取り、休学せずに留学するか、思い切って1年休学し、語学留学であれば語学スキル、ワーキングホリデーであれば仕事やアクティビティ、海外インターンであればしっかり実務を学ぶ、など、自分のやりたいことをしっかりとやり切った上で、現役で就活に望む方がよいでしょう。いずれにせよ、4年生になってから考えるのではなく、1,2年時のうちから計画しておくことが重要です。
2.新卒の就職活動と既卒の就職活動の違い
新卒と既卒の就職活動について流れをまとめ、その違いを確認します。
2-1.新卒枠に応募する場合
新卒の就職活動については、あるていどご存知かと思います。日本の企業、特に大企業は新卒一括採用が一般的です。たくさん候補者を集めて何度もスクリーニングするため、採用活動も規模が大きなものになります。
就活フェアなど大規模説明会
少人数の説明会
エントリーシートの提出
グループディスカッションや集団面接
若手社員などによる2次面接
現場社員、管理職による3次面接
役員、取締役による最終次面接
このような流れが一般的ではないでしょうか。人気企業になりますと、何万件もエントリーシートが届き、面接の数も多く、五次、六次面接なんていう会社もあるようです。
このように人気企業に応募が集中することもあり、「学歴フィルター」や「英語力フィルター」を使って、詳しい中身を見ずに学生を選別している、という噂は皆さんご存知かと思います。これは実際にやっているところもあれば、学歴による差別をなくすために、あえて学歴欄をエントリーシートに設けていない企業もあります。エントリーシートにも企業の考え方が反映されます。
会社を調べる方法ですが、大手人材会社の新卒求人サイト経由でエントリーするのが一般的でしょう。また就活フェアなどに参加する方法もあります。もちろん、そのような仲介会社に頼らず自分で探して応募する方法もあります。
2-2.既卒枠に応募する場合
既卒の場合は新卒と違い、一社あたりの募集の枠が少ないので、選考の過程もシンプルです。多くは書類審査と面接のみで、面接も中小企業であればいきなり役員面接で1回だけで終わる、というところも少なくありません。最近は「第二新卒」という言葉が定着してきたためか、大手企業を中心に第二新卒向けのフェアなども行われるようになりました。
企業を探す方法も、新卒と同じように仲介会社を使う人が多いですが、仕事でできた人脈を活かして、知人・友人からの紹介で転職する人も一定数見られます。
2-3.第二新卒とはなにか
第二新卒とは、高校や大学卒業後おおむね3年目までの人を指します。「おおむね」と表現したのは企業によって解釈がまちまちだからです。「3年目まで」としている企業もあれば「20代までは第二新卒として考える」という企業もあります。したがって、「第二新卒」をもう少し広く捉えるなら、卒業からの年数ではなく、「基本的なビジネスマナーを身につけている社会人で、経験よりもポテンシャルと意欲を重視し採用されるおおむね20代までの人」という風になるでしょうか。
2-4.ライバルはどういう人?
第二新卒に限らず就職活動において気になるのは、どんな人がライバルなのか?ということでしょう。前のセクションの定義に従うと、第二新卒は「基本的なビジネスマナーを身につけている社会人で、20代までの人」になります。職務経験としては、同業界での転職もあれば、まったく未経験の業界の転職の場合もあります。少なくとも他社で数年は社会人経験がある人と対等に戦うことになるので、留学組は日本での社会人経験がない分、それを上回るだけの意欲や、志望動機が必要になります。「なぜこの仕事なのか」「なぜ新卒で就職せずに留学に行ったのか」これらの問いで採用担当を納得させる必要があります。
3.いざ、面接に挑むにあたって。
面接、緊張しますよね。ここでは面接で大事なポイントや心構えについて書きます。
3-1.就職活動も「段取り八分」
みなさんは「段取り八分」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?なにか仕事をしようとするときに、ぶっつけ本番でやるのではなくて、その前の準備だ大事、ということです。しかも準備で80%が決まる、とまで言っています。
みなさん、面接準備というと、何をしていいかわからない人も多いと思います。まずそういう人にお勧めなのが、提出した履歴書、職務経歴書などの履歴書類を読み込むことです。面接準備で何をしていいかわからない原因のひとつは、なにを質問されるか見当がつかないことです。しかしそれはあるていど予想することができます。採用担当も面接前には準備をします。何をしているかというと、履歴書類を読んで、さらに詳しく知りたいこと、書いていないけど確認したいことをリストアップするのです。そもそも書類に興味を持たれて面接に呼ばれていますので、少なくとも面接の最初は書類を元にした質問が来ます。もちろんそこから話が広がっていくわけですが、まずは自分の履歴書類を真っ白な気持ちで読んで、自分が採用する側だったら、ここを詳しく聞きたいな、とか、ツッコミどころがあるな、というところをピックアップして答えを用意しておくとよいでしょう。
尚、就活準備に不安な方はお気軽にご相談ください。大手とベンチャー経験のある私がお答えします。
3-2.どんな気持ちでいればいいのか
面接には、謙虚に、しかし堂々とした気持ちで臨んでほしいと思います。選考というと、必要以上に卑屈になってしまう人がいます。企業から「選ばれなければならない」ということに意識が行き過ぎるのです。そもそも「選考」とはなんのために行うものなのでしょうか?私は企業と求職者の確認の過程だと持っています。会社は、事業の拡大やビジョンの実現に貢献してくれる人がほしい。求職者は自分のやりがいや、給与、ワークライフバランスなどが実現できる会社に就職したい。両方が両方の希望や思惑を持っています。それがお互いに実現できるかどうか、折り合いがつくかどうか、確認するのが採用選考です。つまり、あなたは選ばれる立場であると同時に、選ぶ立場でもあるのです。謙虚さは必要ですが、卑屈になる必要はありません。採用担当に嫌われないことを意識するあまり、こちらから確認したいことも聞けなかったり、自分を大きく見せようとしたりして入社しても、のちのちほころびが出ます。条件に合わない企業は、こちらから断る選択肢も当然ありうるのです。企業とは長期的にお付き合いする関係になるのですから、伝えるべきことはしっかり伝える、聞きたいことはしっかり聞くことが重要です。
3-3.企業の疑問を解消してあげる
採用とは企業にとって大きな買い物です。年収400万円の人を35年雇う場合、社会保険や厚生費などを合わせると、2億円近い支出になります。それを数回の面接で決めるのですから、面接では「この人で大丈夫だろうか」という企業の疑問を解消しなければ、「この人を採用しよう」という判断はくだされません。
そのためには、まず「段取り八分」のところで紹介したように、書類を読み返して、聞かれそうなところにちゃんと答えを用意しておくことです。ネガティブなことも聞かれる可能性があります。例えば留学にいいイメージを持っていない面接官もいますので、「留学に行ったのは就職がうまく行かなかったからですか?」とか、「みんな就活するのになぜあなたはあえて海外に行って就職を遅らせたんですか?」など聞かれる可能性があります。そこで決してひるまずに、堂々とあなたが留学に行った理由を話すことです。そしてその経験がこれから働く上で活きるものであることを伝えればよいのです。
3-4.担当者と信頼関係を築く
そして大切なのが担当者と信頼関係を築くということです。これは、担当者と打ち解けて仲良くなる、という意味ではありません。聞かれた質問に誠実に答え、こちらも、聞きたいことを聞き、対等な関係として「確認」をしっかりと行う、ということです。それが選考の目的なのですから。あなたはこれから面接を受ける会社のことがわからなくて緊張していると思います。しかしそれは企業側も実は同じなのです。あなたのことを知りたいと思っている採用担当の気持ちに、誠実に答えましょう。それが面接において信頼関係を築くことだと私は思います。
4.留学に行くまでにすべきこと
以上見てきたように、留学後の就職活動で注意すべきポイントと、留学に行くタイミング、期間によっては、選択肢が狭くなることがあることを見てきました。それでも留学に行きたい人は行くと思います。わたしはそれも良い選択だと考えています。社会に出てから、一度勤めた会社を辞めて海外に行くのは簡単ではありませんし、それによって諦めなければならないものも出てくることでしょう。海外に行って様々な価値観を体験してから働くことは、あなたの働き方や人間関係づくりによい影響を与えることでしょう。ここでは帰国後の就職活動が少しでもうまくいくように、出発前にしておいたほうがよいことを取り上げたいと思います。
4-1.会社説明会に行こう
秋ごろから新卒向けの会社説明会が盛んに行われます。また大手求人エージェント主催の就活イベントが各地で行われます。留学に行くと決めている人で「就職活動をしない自分には関係ない」とばかりに、一切、そういうイベントには出ない人がいますが 、それはとてももったいないと思います。イベントは、たくさんの学生に応募してほしい企業がPRをする場です。就職活動をしない学生は関係がないように思えますが、様々な業界や普段知らない企業のことを知ることができる場としては、貴重な場です。まだ知らない業界、会社を見て、刺激を受けてみましょう。将来グローバル企業で働きたいとか、英語を使って仕事をしたいと思っている人は、活躍のチャンスがありそうな会社のブースにぜひ話を聞きに行ってみましょう。「自分はこれから留学に行くが、働く上で、海外で学んでくるべきことは何か?」と聞いてみてもいいかもしれませんね。きっと、留学中の活動のヒントが得られるでしょう。
4-2.留学でやりたいことを整理しておこう
英語の勉強fだけなら日本でもできます。海外でしかできないことを経験する、学ぶことが留学の価値です。留学に行って帰ってきたときにどういう状態になっていたいか、英語力のみならずぜひ考えて計画してほしいと思います。必ずしもうまくいくことばかりとは限りませんが、海外で挑戦したことはこれから働く上でも貴重な経験になります。